【浜北 Deportare Lab.】vo.11~”できる側の人間”と”できない側の人間”のあいだに~

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こんにちは!
フィットネスジム21コーチの太田です。

今回の【浜北Deportare Lab.】
アキレス腱断裂からの復帰戦を終えて思ったことや感じたことについて。
【浜北 Deportare Lab.】vo.11~”できる側の人間”と”できない側の人間”のあいだに~
復帰戦に臨む太田蒼
今回はいつも以上に長文です。※8割前置きです(笑)
ゆったり気長にお読みください


さかのぼること約11ヶ月。
2021年5月29日、横浜にある日本体育大学健氏台キャンパスでの出来事でした。

その約1か月半前の西部選手権は絶好調で2m10のシーズンベストをマーク。
近いうちに自己ベスト更新の手ごたえもありつつの優勝でした。
しかしその後の練習で雲行きが怪しくなってきました。踏み切り脚(右脚)のアキレス腱に痛みが出始めたのです。
様々手を尽くしましたがなかなか好転せず、それでも西部選手権での手ごたえを現実のものにするべく、日本選手権への出場権を狙って横浜に向かいました。


そして運命のXデー。当日のアキレス腱の状態は、
「数本だったら何とか踏み切れるかなー」
という正直厳しいものでした。ですが日本選手権に出場するためにはこの日がラストチャンス。
そのためにはるばる横浜まで車を飛ばしてやってきたのです。
「多少無理しても日本選手権までには何とかなる。攻めていこう。」
今思えばあの状態で日本選手権の標準記録突破は絶望的でした。
“倒れるなら前のめり精神“で、旧日本軍の万歳突撃とニュアンスはほぼ変わらなかったと思います。

この日は2m00からスタート。1回でクリアしたものの、
「痛ってーな…」
ぶっちゃけめっちゃ痛かったです(笑)
これはもう何本も踏み切れないと判断し、次の2m05をパスして2m10に挑むことにしました。


その2m10の一本目。
助走をスタートし、カーブに差し掛かったその時、
「パンッ!」
破裂音と共に地面が抜けたような感覚がありました。
(イメージとしては、空気を溜めたビニール袋をつぶした時の音のような?
発泡スチロールを割ったときのような?撮影していた動画にはっきり入るほど結構な音量です。
そしてほんとに地面が抜けたような感覚になります。)
そしてマットに倒れこみ、すべてを悟りました。
「あぁー切れたわ。」
全く同じ感覚を1年前に経験していました。(実は1年前に左アキレス腱を切っています)

日体大の学生トレーナーさんが駆け寄ってきてくれ、そのまま担架で運ばれました。
その場で応急処置を受け、車は日体大に乗り捨て、(ちゃんと日体大の監督に許可取りました)、
一緒に出場した義啓さん(TOMORUNコーチ)の車に乗せてもらい、なんとか帰宅しました。
その後、1年前にお世話になった病院で手術を受け、療養生活のはじまりはじまり。
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そんな中、東京五輪アイルランド代表がエコパで事前合宿を行った際には、
僕もサポートスタッフとして足を引きずりながら参加。

アイルランドの選手やコーチに
「お前脚どうしたんだ?」
「実はアキレス腱切っちゃってさ」
「まじかよ。またいずれ競技復帰するのか?」
「もちろん」
「さすがだな頑張れよ」
とつたない英語でやり取りしたのも良い思い出。


そんなこんなでリハビリを重ね、ようやく復帰戦…


とはいかないのが太田蒼

実はアイルランド代表のエコパ合宿が終盤に差し掛かった頃、重大アクシデントがありました。
走高跳のパーソナル指導を依頼され、四ツ池で指導をしていた時のこと。
レーンを横切る際に急に跳びだしてきたランナーを避けようとして、とっさに右足で踏み込んでしまいました。
アキレス腱から弱々しい音と申し訳程度の衝撃が。
とっさの踏み込みは治りかけのアキレス腱にとっては荷が重すぎました。


再び手術を受けた病院へ。
今回は再断裂ということもあり、単純につなぎ合わせる手術ではなく、
腿の裏側、半腱様筋という筋肉から腱を1本もらってきて
(ハムストリングスの一部、この筋肉には腱が5本あるから1本くらいなくても平気なんだとか。ほんとかよこちとらアスリートだぞ大丈夫か?って思いましたが。)
アキレス腱の一部に移植するという割と大掛かりなものになりました。
つまり僕の右のアキレス腱は一部“アキレス腱ではない“状態です。
もう手術も入院も慣れたもの。病院のスタッフとももはや友達です。
それでも入院は二度と御免ですが。
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膝のあたりにある傷が、半腱様筋の腱を取ったときのものです。

そこから再び療養とリハビリの日々。前科持ちのためギプス固定や装具を付ける期間が通常より長く設定されました。
【浜北 Deportare Lab.】vo.11~”できる側の人間”と”できない側の人間”のあいだに~
ギプスが取れた直後。病的に細くなった右脚。療養生活で左脚も細くなってしまいました。
家でごろごろしているしかない療養期間は心が不健康になりました。
やっぱり体を動かすってだいじ。
スポーツって素晴らしい。


リハビリも大変でした。
筋肉が落ちて病的に細くなった脚をもう一度跳べるような脚にしなければならない。
しかもアキレス腱だけでなく、一本腱がなくなった半腱様筋もリハビリが必要です。
むしろこの半腱様筋が厄介でした。
腱が一本無いだけで全く力が入らない。力の入れ方がわからなくなってしまった。
アキレス腱は比較的スムーズでしたが、ハムストリングスの機能回復には手こずりました。



そんなこんなで月日がながれ、先日無事に復帰戦となった西部選手権を終えました。

結果は1m90で2位。
全快には程遠い記録ではありますが、直前の練習で1m70をクリアするのがやっとだったと思えば大健闘。
「太田蒼が競技の世界に帰ってきたぞ」というアピールの場にはできたかなと思います。



さあ非常に前置きが長くなりましたがようやく本題です。
この復帰戦を終えて感じたことはいくつかありますが、
その中から大きな学びを1つ取り上げたいと思います。

それは
できない・わからないを追体験できたこと
です

体育や部活動で、先生やコーチ、先輩などからアドバイスをもらっても
「頭ではわかるけどできない」だとか
「そもそもイメージすら湧かない」などということを経験したことがある人は多いのではないでしょうか。(僕もその一人です)

スポーツのコーチや体育の先生は、ほとんどが運動が得意な(だった)人たちです。
そしてそのような人たちは、できない人たちの感覚がわからない(悪気も偏見も全く無く)のです。
母国語が日本語の人が日本語をしゃべれないということが理解しづらいように、
歩行能力に問題のない人がどうやっても歩けないということをイメージしづらいように、
無意識に行っていることほど、有意識のうえに上げることが難しいのです。

僕はアスリートとコーチを兼ねている人間ですので、
できない・わからない人にも理解ができるような工夫を怠らない努力はしていますが、
やはりどこかで同じ立場に立ち切れていない場面があったと思います。

僕はそんな折に、特に走高跳(跳躍練習)に復帰した際に、
自分の武器だったはずの動きができない、踏み切りで地面からの反発を得る感覚がわからない、
という経験をしました。
頭ではこう動けばいいというものがわかっているのに、どうしてもできない。
そもそもその感覚を失くしてしまった。
そんな状況で、自分に対してどのようにコーチングしていくのか。
コーチとしての力量が試されました。
結局自分だけでは八方塞がりになり、トレーナーなどに意見を求めて勉強させてもらい、助けてもらうことになったのですが…


それでも手を変え品を変えアプローチしていく過程や、そもそも“できない・わからない”を改めて経験できたことは、「できる・わかる側」の人間(コーチ・アスリートというくくりの人間)として大きな財産となると思います。
【浜北 Deportare Lab.】vo.11~”できる側の人間”と”できない側の人間”のあいだに~

「できない・わからない」を相手の問題としてただ放っておくだけのコーチにはなりたくない。



相手に寄り添えるコーチであるために…炎


フィットネスジム21
CEC(チーフエンジニアリングコーチ)
太田蒼





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